講師紹介
Willem Kuyken博士
Director, Oxford Mindfulness Center
臨床心理学者。Kings Collegeの精神医学研究所で博士号を取得しました。1999年から2014年までExeter大学に勤務し、博士課程の臨床心理学トレーニングプログラムの責任者(2001年~2004年)、臨床研究グループのリーダー(2001年~2010年)、マインドフルネスに基づく認知療法(MBCT)の修士課程をAlison Evansと共同設立しました(2008年)。2014年からは、Oxford Mindfulness Centreの責任者を務めています。MBCTを更に発展させた、MBCT for Life、MBCT:Taking it further等のプログラムの開発・発展に深く寄与していますしました。
当日の概要
タイトル | 人生の中でうつ病を予防し、人間の可能性をサポートする 〜MBCTのこれまでと今後〜 |
日時 | 2022年1月27日(木) 20:00-22:00 5分ほど前から入室可能です |
場所 | Zoomによるウェビナー
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定員 | 80名程度 |
参加費 | 一般 5,500円(税込み) ※Study Group会員, 継続化コース受講者は月会費に含まれます。 |
言語 | 英語(日本語通訳付き) |
概要
うつとマインドフルネス認知療法(MBCT)
世界保健機関(WHO)の推計によると、現在、世界のすべての人を対象とした場合、大うつ病の診断基準を満たす人は2億5,000万人から3億人に上り、また、世界の人口を見ると、約10億人が生涯のどこかでうつ病にかかると言われています。
MBCT(Mindfulness-Based Cognitive Therapy マインドフルネス認知療法)は、うつの再発予防のために開発されたプログラムです。Zindel Segal、John Teasdale、Mark Williamsら心理学や認知行動療法分野における著名な研究者により開発されました。MBCTは、Jon Kabat-Zinn博士によるMBSRと認知行動療法を組み合わせて構成されています。
MBCTは多数のランダム化比較試験で有効であることが示されており、National Institute for Health and Care Excellence (NICE)などの機関から再発性のうつの治療法として推奨されています。
Oxford Mindfulness Centerでは、近年、より一般的な受講者に向け、痛みや困難に対処できる方法を学ぶだけではなく、幸福度(well-being)の向上を目的とした、MBCT-L(Mindfulness Based Cognitive Therapy for Life)プログラムを開発し、幅広い受講者に向け提供しています。 これは人々の幸福度の底上げを行うものです。
MBCTのその先
Kuyken博士は、心理学者であるとともに、自らマインドフルネスを実践し、指導を続けています。その体験の中から、MBSRやMBCTを修了した人が参加できるプログラムとしてMBCT: Taking it furtherプログラム(12週間)(*)を開発するなど、うつの再発予防のために用いたメカニズムを、人間の健康、幸せ、のために利活用し、科学を社会に還元していこうという強い思いが垣間見えます。
Kukyen博士がこれまで取り組んできたこと、そしてこれから取り組んでいこうとしていることとは。
MBSR、MBCTといったコースが、主に、個人の内側に意識を向け、上手に反応していくことを学ぶのに対し、当コースでは、人生の中で本当に大切にしたい価値に沿って生きていくためにマインドフルネスがどのように助けになるか、自分自身だけでなく、社会、世界や環境にどのように関わっていくか、どのように体現していくかへと視野を広げていきます。
- マインドフルネスの実践を強化・深化する。
- 大切にしたい価値を自覚し、それを体現できる力を養う。
- 8週間のカリキュラムで学んだ主要なテーマをより深く理解し、さらに広げる。
- 自分自身、他者、社会、環境との関係性の中でマインドフルネスやコンパッションを育み、マインドフルな関係の可能性広げる。
- 参加者が自分で学習を深めたり伸ばしたりする能力と自信を養う。