【終了:公開講座】マインドフルネスとコンパッションの実践(by Frits Koster)

オランダの精神医療者であり、仏教の僧侶としての6年間、タイ、ミャンマーの瞑想センターでの修行経験も持つ、Frits Koster氏に、マインドフルネスとコンパッションについて、そして氏が精神科医Erik van den Brink氏と開発したMBCL(Midnfulness-Based Compassionate Liviginマインドフルネスに基づくコンパッションのトレーニング)について、お話しいただきます。マインドフルネスとコンパッションの関係は、コンパションが私達にどのような働きをするのか。
Frits Koster氏は2021年4月から予定しているMBSR講師養成プログラムにおいては、5日間リトリートを受け持って頂く予定となっています。

今回の講座の内容

マインドフルネスは、今ここで起きていることをそのままに気づく力であり、そこでは感じたことを評価したり、分析したりする必要はありません。マインドフルネスは、体験しているその時に気づくことです。この10年ほど、マインドフルネスのトレーニングはヘルスケアにおいてよく知られるようになり、慢性的な痛み、ストレス、うつや疲労などへの対処に効果があるとされてきました。よく理解した上でマインドフルネスのちからを養うことは、自らをマネジメントしたり心の自由を得ることのとても良い方法になります。
「コンパッション」は自分や他人の痛み、苦しみに対して敏感になること(sensitivity)であり、その痛みを和らげたり予防したりしようとする強い気持ち(commitment)です。これには共感、勇気、知恵が必要となります。マインドフルネスと同じように、これは普遍的な人間の能力でありながら多くの理由で十分には育てられていないものですが、また、トレーニングによって養うことのできるものでもあります。

慢性的な痛みや再発する精神的、身体的な健康上の問題を抱える多くの人は、低い自己肯定感、恥、自己批判などに苦しんでいます。コンパッションのトレーニングは、自らの内なる批判者よりも、支援者を育て、自分や他人とについて、暖かさ、安心感、受容、理解、つながりをより感じられるようにします。また、対人支援職の皆さんは、過度な共感により引き起こされる苦痛や疲労に悩まされ、バーンアウトの危険を抱えているかもしれません。セルフコンパッションの実践が、自分自身の心のバランスを取り戻し、上手でコンパッションに基づいたセルフケアを行うことの助けになるでしょう。

Frits KosterとErik van den Brinkは通常のマインドフルネスプログラム(MBSR、MBCT、Breathworksやそれと同等のものを)を終えた人で、練習を一人で継続していくのが難しい、または、自分自身に過度に厳しい、といった人々に向けた継続プログラムを開発しました。マインドフルネスに基づくコンパッションのトレーニング( Mindfulness-Based Compassionate Living or MBCL)は8週間のトレーニングであり、マインドフルネスであると同時に、自分や他人に対するやさしさやコンパッションを特に取り上げて、そのような態度を養う練習を行うものです。

MBCLは、Compassion Focused Therapy (CFT)の科学的な側面や、進化心理学、ポジティブ心理学、神経科学の各種の業績とマインドフルネスプログラムを組み合わせて作られました。Paul Gilbert、Kristin Neff、Christopher Germer、Tara Brach、Barbara Fredrickson、Rick Hansonその他の人々の業績を元にしています。MBCLは、すでにマインドフルネスの実践に親しんでいる人が、それをより深めるためのプログラムとして設計されています。

このプログラムはメンタルヘルスケアの臨床において作られてきましたが、コーチング、バーンアウト予防、教育、パストラルケア、企業経営や職場など、広くさまざまな場面で用いることが可能です。多くのヘルスケアの専門職、マインドフルネス講師たちが、バランスの取れた方法で患者や自分自身をケアするにあたって、自らの実践を深め、やさしさやコンパッションを体現するためにMBLCが役に立つものだと考えています。MBCLに関する研究は以下からご覧頂くことができます。https://www.compassionateliving.info/research-mbcl/

マインドフルネスとは何か?マインドフルネスに基づくコンパッションのトレーニングとは何か?についてはこちらをご覧ください。 ⇒ MBCL(マインドフルネスに基づくコンパッションのトレーニング)

※募集中
MBCL 10月31日マインドフルネス低減法(MBSR)オンライン8週間

講師紹介

Frits Koster, MBCL(Compassion)/MBSR/MBCT Teacher

Frits Koster, MBCL(Compassion)/MBSR/MBCT Teacher

1979年よりヴィッパーサナ瞑想を実践しています。仏教の僧侶としての6年間、タイ、ミャンマーの瞑想センターにおいて瞑想および仏教の典籍について学びました。1988年にオランダに戻り、それから瞑想リトリートを行ってきました。現在では還俗し、仏教心理学、哲学を教えることに加え、精神医療の分野で非常勤の仕事をしています。

>>プロフィール詳細

日時2020年10月23日(金)
20:00-22:00
5分ほど前から入室可能です
場所Zoomによるウェビナー
  • 参加に際しては、必ずビデオをオンにしていただくこととします。オンにできない場合は予めご相談ください。事前の相談なくビデオをオフのままにされている場合、ご退出いただくことがあります(その場合、代金の払い戻しは行いません)。講師を含め、参加する皆さんのつながりを大事にするためこのような運用とさせていただきます。何卒ご了承ください。
  • URLは下記フォームよりお申込みいただいた方にお送りします当ウェビナーは録画され、後日YouTube等にアップロードされる可能性があります。(画面は講師、通訳)
  • 入室時は、アルファベットで「名前+苗字」でご入室ください。お名前が確認できない場合、入室できない場合があります。
受講料1,500円+税
  • 後日、一部または全部がYouTube等で公開される可能性があります。
  • お申込み後の払い戻しはいたしかねますのでご注意ください。
  • 事前のご相談なくビデオオフを継続される場合、当方の判断でご退出いただくことがあります。その場合、払い戻しは行いませんのでご予めご了承ください。
言語英語(日本語通訳付き)
受講者マインドフルネスについて何かしらの経験があり、それを深めたいと思う方向けのプログラムです。MBSRまたはMBCTといったプログラムを経験しているか、それに準じるマインドフルネスについての経験があると、理解を深める助けになります。
講義内容
  • コンパッションとはどのようなものか?
  • MBCLプログラムとはどのようなプログラムか?
  • コンパッションおよびMBCLプログラムのエクササイズの体験
  • ブレークアウトルームも使用されます
参考書籍
  • Van den Brink, E. & Koster, F. (2015). Mindfulness-Based Compassionate Living: A new training programme to deepen mindfulness with heartfulness. London: Routledge.
  • Van den Brink, E. & Koster, F. (2018). A Practical Guide to Mindfulness-Based Compassionate Living – Living with heart. London: Routledge.

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