コンパッションのトレーニングです。
コンパッションとは
コンパッションとは、自他ともに痛みや苦しみにやさしい関心を向けること、その感覚に寄り添い、ありのままに共にいることと言われています。Frank Ostaseskiはコンパッションを以下のように説明しています。コンパッションとは、人が「苦」を十分に体験し尽くすことができるような見守りの環境を提供することである。(Frank Ostaseski,2005)
MBCLとは
MBCL(Mindfulness-Based Compassionate Living マインドフルネスに基づくコンパッションのトレーニング)は、自他に対するコンパッション(思いやりの気持ち)を育てるためのコースです。精神科医 Erik van den Brink 博士と精神看護師として働いた経験がありヴィッパーサナ瞑想の指導者でもある、MBSR講師 Frits Koster により開発されました。MBCLは、この両名の医療現場などにおける経験に加え、 Paul Gilbert 、 Christopher Germer 、 Kristin Neff 、 Tara Brach らの業績を取り入れて開発されたものです。
コンパッションにより、自分自身や他者の痛みや苦しみに鋭敏に気づき、癒したいと思う気持ちが育ってきます。また、困難な状況における自分自身の可能性を理解しようとする意志を育てることもできるようになります。
誰しも、コンパッションを持つ力を有しています。しかし、様々な理由により、多くの場合その力は発揮されないままになっています。トレーニングや継続的な練習により、コンパッションは育み、深めていくことができるものであり、それこそがMBCLの目指すところです。
MBCLの開発者による著作として” Mindfulness-Based Compassionate Living: A New Training Programme to Deepen Mindfulness with Heartfulness”があります。これには専門家に向けた章も設けられています。
MBCL 8 Week Courseについて
MBCLは8週間にわたる、週1回の集合クラスと、毎日の個人練習によって構成されます。また、6週目と7週目の間には、Slilent Practice Sessionが組み込まれています。
8週間をかけて、自他に対するコンパッションを養うトレーニングを行います。
週1回のクラスは、各回2時間30分のクラスで、実際の瞑想の練習による体験的・直接的な学び、感情やストレスについての知識についての学び、そして講師や参加者とのやり取りを通じて理解を深めることにより、自分自身の学びを深めていきます。
また、各週のセッションの間の6日間は、各自1日45分以上の個人練習を行うこととなっています。このコースは、MBSR、MBCT、breathworksいずれかの8週間コース修了者が受講できるコースとなっています。
2020年11月開講 スケジュール
毎週土曜日 19:45~22:15
①Week1 11月7日(土)
②Week2 11月14日(土)
③Week3 11月21日(土)
④Week4 11月28日(土)
⑤Week5 12月5日(土)
⑥Week6 12月12日(土)
※Practice Day 12月13日(日) 9:00-16:00
⑦Week7 12月19日(土)
⑧Week8 12月26日(土)
※Practice Dayには他クラス受講生が参加することがあります。
毎回のテーマ
週 | 内容 |
1 | 3つのEmotion Regulation Systems(感情制御システム) セッション1では、なぜcompassionのトレーニングが必要なのかということと、脳の進化との関係をしめします。3つのemotion regulation systemを取り扱います。①threat system ②drive system ③soothing systemの3つです。この3つがどのようにバランスを失い、compassionのトレーニングがsoothing systemを強化することによりバランスを回復させていくことを扱います。 |
2 | ストレス反応とSelf-Compassion セッション2では、本能的なストレス反応である①fight(闘争) ②flight(逃避) ③freeze(硬直)とあまり知られていない④tend and befriend(お世話と友好)反応について話し合います。身体的な脅威と心理的な脅威がいかにして同じストレス反応を引き起こすことを示します。どのようにしてself-compassionを高め、そのためにどのように想像力を用いるかについて省察します。バックドラフト現象を含めself-compassionを高める過程での落とし穴や誤解について話し合います。 |
3 | 内面のパターン セッション3では、3つのemotional regulation systemの根っこにある3つの基本的なパターンについて扱います。①threat mode ②competition mode ③caring modeの3つです。”inner bully”(内側な自分いじめ)と恥、内気、罪の意識といったself-conscious emotion(自己意識に関する感情)について話し合います。いずれのパターンが最も支配的で、それに如何に気づき、名前をつけ、compassionをもって取り扱うか、について考えていきます。 |
4 | Compassionモード セッション4では、compassionの持つ特質とスキルについて、「compassionの輪」モデルを用いて概要を示します。kindnessとcompassionをどのようにして具体的な形にしていくかということと、これらの特質によって基本的なマインドフルネスのエクササイズがどのように深められていくかということについて、探索していきます。’doing as if’(ふりをする)がどのように実際の効果を持ち、inner helper(内側で手出すけをしてくれる存在)の成長を助けるか、について探索していきます |
5 | 自己と他者 セッション5では、Self-Transcendent(自己の超越)、compassionのrelational qualitiesについて省察し、overidentification(過度な自己同一化)とdisidentification(自己同一化から離れること)の現象を取り扱います。compassionレターを書くことを紹介し、自分の中の異なる部分と他社の異なるカテゴリーに対するkindnessとcompassionをどのように練習するかを議論します。 |
6 | すべての人に対する幸福 セッション6では、普遍的な人間性のテーマがFour Friends for Lifeに結び付けられます。慈悲喜捨 ①loving-kindness ②compassion ③sympathetic joy ④equanimity。「許し」について探り、人生に喜びと幸福をもたらすものが何かを省察します。 |
7 | 日常生活におけるcompassion セッション7では、感情制御システムがモチベーションとどのようにつながっており、何が自分にモチベーションを与えているかにについてマインドフルネスに気づくことがどのように選択の自由をもたらすか、について議論をします。我々はどのようにして、日常生活でcompassionを高め続け、自己と他者をいたわり、賢くcompassionを持って立ち振る舞うことができるようになるのでしょうか? |
8 | compassionの癒しの力 セッション8では、人生において癒しのプロセスへのcompassionの価値について議論を行い、トレーニングコース終了後にどのように練習を継続することができるかについてみていきます。 |
MBCL共同開発者Erik博士インタビュー(インタビュアー:井上清子)
MBCL共同開発者Frits氏ウエビナー(10月23日)
※本ウェビナーは終了しました。後日動画をアップロード予定です。
講師紹介
International Mindfulness Center Japanを主宰
MBCT(マインドフルネス認知療法)
Certified Teacher (University of California San Diego)
MBCL Certified Teacher
受講場所 | オンライン会議システムZoom(無料)で実施します。Zoomの使用方法は別途お知らせします。 |
募集人員 | 最大16名 |
受講料 | 80,000+税 |
言語 | 日本語 |
必要な準備 | インターネット環境 インターネットに接続できるデバイス(PC/タブレット/スマートフォン) |
提供されるもの | コースハンドブック 練習用の音源 |
受講のステップ
- 次項の受講要件等をお読みいただき、それらを満たしているかをご確認ください。
- お申込みフォームより必要事項を記入の上、お申し込みください。この時点では申し込みは完了しておりません。
- 当センターより、決済のためのメールが届きますので、受領後3日以内の決済をお願いいたします。決済完了時点で、お申込みが仮確定します。
- 今回講座の講師と日程を調整の上、事前面談を実施し、最終確定となります。なお、ご自身の身体的、精神的な事情により医療機関にかかっている場合など、状況によっては本コースへのご参加をお断りする場合がございますので、あらかじめご了承ください。その際のキャンセルポリシーは後述の通りです。
受講要件等
- このコースは、MBSR MBCT ,breathhwork8週間コースいずれかを受講経験がある方が受講できます。
- 個人練習は、1日45分間の瞑想が求められます。しっかりと時間を確保し、練習を通じて自分自身の体に落とし込んでいくことが必要となります。
- 全コース8回について、すべてのセッションに参加することが求められ、少なくとも6回以上参加できないと判断される場合は、コースへ参加することは許可されません。
- セッションを欠席または遅刻する場合は、あらかじめインストラクター(事務局)へ連絡を行う必要があります。
- 精神疾患等により医療機関にかかっている場合等、参加が認められない場合があります(事前インタビューでインストラクターより確認があります)。
- 当コースは医療行為ではなく、またその代替行為ではないことを理解していること。
- 参加は自らの意思であり、他人から参加させられているのではないこと。
- グループワークに際しては、参加者お互いに敬意を払い、オープンな心で臨むこと。
- セッション中には、自分自身の体験についてシェアする場がありますが、シェアすることは強制されるものではなく、またシェアする場合でも差支えない範囲で行います。セッション中に共有されたことは、セッション以外の場に持ち出さないよう、参加者にはお互いに秘密性の約束により安全性への配慮を行っていただきます。
キャンセルポリシー
- 事前面談の結果、申込者理由により、面談後3日以内に参加のキャンセルを ①当サイト問合せフォーム ②Line ③メール のいずれかで申し出た場合は、面談手数料(5,000円+税)および決済手数料を除き、全額を返金致します。
- 事前面談の結果、 当センター側の判断で受講をお断りする場合、決済手数料を除き、全額を返金致します。
- それ以外の場合は、返金致しかねますので予めご了承ください。ただし、受講までに別の受講者により参加者の枠が満たされた場合に限り、 面談手数料(5,000円+税)および決済手数料 を除き返金致します。
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