講師紹介
Dr. Fabrizio Didonna
Director, IS.I.MIND
心理学博士。バルセロナ大学生涯学習研究所教授、上海交通大学客員教授で、国際的に知られた臨床心理学者です。
イタリアマインドフルネス研究所(IS.I.MIND)の創設者兼会長、イタリア・ヴィチェンツァのヴィラ・マルゲリータ私立病院精神科の強迫性障害ユニットと気分・不安障害ユニットのコーディネーターを務めています。
当日の概要
タイトル | MBCT for OCD(強迫性障害のためのマインドフルネス認知療法)入門 |
日時 | 2022年3月3日(木) 20:00-22:00 5分ほど前から入室可能です |
場所 | Zoomによるウェビナー
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参加費 | 一般 5,500円(税込み) ※Study Group会員, 継続化コース受講者は月会費に含まれます。 |
言語 | 英語(日本語通訳付き) |
概要
強迫性障害(OCD)は、強い「不安」や「こだわり」が日常生活に支障をきたすこころの病気です。
WHO(世界保健機関)は強迫性障害を「生活上の機能障害をひきおこす10大疾患のひとつ」として定めています。
欧米では50~100人に1人の割合で強迫性障害を発症しているとされており、日本では大規模な調査は実施されていませんが、同程度の頻度だと考えられています。
OCDに悩む人々のためにマインドフルネスを取り入れて開発された効果的な集中治療プログラムが「MBCT for OCD」です。
今回は、そのMBCT for OCD(強迫性障害のためのマインドフルネス認知療法)の開発者であるFabrizio Didonna博士をお招きして、強迫性障害にマインドフルネスを適用することがどのような取り組みであるかについてお話をいただきます。
将来的に、このプログラムのトレーニングを日本で開催することも検討しています。
強迫性障害のためのマインドフルネス認知療法(MBCT for OCD)とは
※今回のセッションはMBCT for OCDの紹介やそれに関連した話をするセッションであり、MBCT for OCDのプログラム自体ではありません。
<根拠・構造・基本原則>
強迫性障害のためのマインドフルネス認知療法(MBCT for OCD)は、強迫性障害(OCD)に苦しむ人々に臨床上および、生活をする上で大きな改善をもたらすように設計されており、革新的で・標準化・マニュアル化された治療のプログラムです。
Fabrizio Didonna博士の研究と臨床経験に基づき、認知行動療法のツールとして、マインドフルネスとコンパッションの実践と臨床への応用を組み合わせています。
MBCT for OCDの核心は、OCDを特徴づける心の状態と認知するメカニズムを患者に理解させると同時に、自分の内的体験と新たな関わり方を築くよう促すことです。患者は思考をその内容や感情から切り離し、心の中の出来事として見ることを学びます。
集中治療プログラムでは、OCDを持つ人が講義セッションや自宅での集中的な練習を通して、自分の障害を活性化し維持している特定の、または一般的な偏見と機能不全のメカニズムを認識して克服すること、またそれらのメカニズムを起こさなくするための有益な戦略を学び、自分の内的体験に関する安定していて、かつ健全な方法を身に付けるために、時間をかけて段階的に支援することを目的としています。
プログラムでは、セッションとセッションの間に自宅で練習を行うことになっています。クラス外での参加者の練習をサポートするために、ガイド付きのエクササイズが入った音源を使用します。自宅での練習は、1日1時間程度、週7日行います。各セッションにおいて、参加者は自宅での練習中に起きた体験や、そこで必然的に生じた問題、またそれに上手く対処する方法について話す機会があります。各授業は、グループでのインクワイアリとマインドフルネスの実践を通して探求されるテーマに沿って構成されています。
MBCT for OCDは、1セッションにつき2時間半からなる11セッションで構成されています。ただし、セッション3は家族やパートナーとのセッションのため1時間半となり、セッション11は集中的な練習と復習を行うため1日掛かりのセッションとなります。